クラフトビールの代名詞ともいえるIPA。いまや日本のブルワリー数は850軒を超えいよいよ900軒に迫ろうかというところですが、そのうちのほとんどのブルワリー、恐らく9割がこのIPAを醸造しています。
IPAとはIndia Pale Ale(インディアペールエール)の略称で、英語圏の国や日本では「アイピーエイ」、スペイン語圏の国などではローマ字読みで「イーパ」と呼ばれています。インディア(インド)と名前がついていますがインド発祥ではなく、生まれたのはイギリスです。19世紀から20世紀にかけての帝国主義の時代、ヨーロッパの列強国は世界中に植民地を広げていました。現在のインドは当時イギリス領で、航空機のない時代、本国からの所要時間は船で数ヶ月に及ぶ長旅でした。貿易を担っていた東インド会社の要請で「輸出用ペールエール」として開発されたのがこのIPAです。ペールエールをベースに防腐効果のあるホップをより多く使い、長時間の輸送に耐えられるビールとなりました。ホップを多く利かせている分苦味の強さが特徴ですが、爽やかさもあり苦味のわりには飲みやすい仕上がりのものもたくさんあります。
IPAは発祥の地イギリスからアメリカへも伝わり、そして日本を含めた全世界へと広まりました。世界中のクラフトビール愛飲家に最も親しまれているスタイルではないでしょうか。ペールエールをベースにして生まれたスタイルですが、そこからさらに多くのIPAが編み出され、「ウェストコーストIPA」や「ヘイジーIPA(ニューイングランドIPA)」など様々なスタイルが派生しています。
世界中のビール好きを魅了するIPA。クラフトビール専門店ならどのお店でも必ず1つは置いているスタイルですので、これからクラフトビールを始めるという方はぜひまずは選んでみてください。
337 Aleでこれまで取り扱ったIPAの一例
那須ガーデンブルワリーなすですな 栃木県那須塩原市
商品名:インディアペールエール
アルコール度数:6%
オリオンビール 沖縄県名護市製造
商品名:75BEER IPA
アルコール度数:6%