日本で広く飲まれているビアスタイルは、数多くのうちのたった一つピルスナーですが、世界には数えきれないほどのスタイルがあり日本ではまだほとんど知られていないものもあります。そんな中でもゴーゼはドイツ発祥のエール(上面発酵)ビールで、最近になり徐々に日本でも知られつつあるスタイルです。
ゴーゼの特徴は、なんといっても製造に多くの塩を使用することです。鉱山労働の従事者たちが、汗を流して失われる塩分やミネラル成分を補うために作られたのが始まりとされています。ドイツ中部、ハノーファーから南東に70kmほど行ったところにあるゴスラー(Goslar)という町で作られたことからゴーゼと呼ばれています(英語圏の発音ではゴーズと呼ばれることが多いようです)。
一般的なビール酵母だけでなく乳酸菌も使われているため、サワーエール同様の酸味の強い味わいがベースとなっており、すっぱさの中にも塩味が効いているのが特徴的です。ビールと聞いてよく想像するようなホップ感は少なく、苦いビールが嫌いな方でも飲みやすいスタイルですが、逆に乳酸菌の酸味が苦手な方には勇気のいるスタイルかもしれません。
本場ヨーロッパでは暑い夏に好まれるスタイルで、ドイツ以外でも人気が高まっているようです。日本では一部のクラフトビール愛好家以外にはまだほとんど知られていませんが、つい近年、2023~2024年ごろから徐々に作り始めるブルワリーが増えてきました。といっても定番(レギュラー)商品として醸造しているブルワリーはどうやらまだほとんどなさそうで、基本的にどれも限定商品のため今のところいつでも気軽に手に入るスタイルではありません。当店337 Aleでも様々なスタイルを取り扱うべく各ブルワリーの新商品情報を日々チェックしており、注文できるタイミングを待ち構えています。
337 Aleでこれまで取り扱ったゴーゼの一例
Teenage Brewing 埼玉県比企郡ときがわ町
商品名:YUUGEN
アルコール度数:5%